舟運活性化コンソーシアムとして初の舟運商品づくりにつなげていくアイデアワークショップを開催しました。会場となったのは、東急不動産とソフトバンクの再開発プロジェクトでオフィスタワーとレジデンスタワーからなる国際ビジネス拠点として2020年9月に誕生した「東京ポートシティ竹芝」。舟運活性化コンソーシアム初のワークショップ開催にふさわしい、竹芝エリアで注目の施設です。各分野のスペシャリストや事業者、個人らが集結し、グループワークを行いながら舟運活性につながる素敵な企画を出し合いました。
【会場】東京ポートシティ竹芝内、8階ポートシティスタジオ
【ファシリテーター】
岩本唯史(舟運活性化コンソーシアム事務局代表/株式会社水辺総研 代表)
【内容】「舟運活性化コンソーシアムTOKYO2021」概要、WORLD 舟運 NEWS、アイデアブレストワークショップ
世界に自慢できる水辺体験を!「舟運活性化コンソーシアムTOKYO2021」
ワークショップは、コンソーシアム事務局の代表を務める水辺総研の岩本氏の司会で進行していきました。舟運活性化コンソーシアムは、船を使って新たな東京の楽しみ方を提案していくため、さまざまな分野のプロフェッショナルや事業者が集まり、それぞれの力を発揮しながら実現していく取り組みです。初のワークショップということもあり、冒頭は参加者に向けて舟運活性化コンソーシアムTOKYO2021の概要を説明がありました。
このコンソーシアムは、ユーザー目線、ビジョンドリブン、実践的である舟運活性化を行うということ、水辺利用がフェアであること、創造的連携協働ができるものであることを理念に掲げ、舟運商品や実験的取り組みのプロモーション、創造的連携マネジメント、事業創造ワークショップなどを実施していくものです。
■ビジョン
東京の水辺を、世界に自慢できる水辺体験ができる水辺にすること。
■目的
魅力的な舟運商品をつくりつづける垣根をこえた協力体制をつくること。
■ミッション
舟運の分野で、多様な主体による連携協働により、いままでにない価値を創造すること。
舟運活性化2.0として、行政や関係者が環境整備や連携を生む取り組みなど自らできること、そして舟運商品のアイデア出しやユーザーに届くメディア価値をつくるなど、舟運事業における事業者の投資を促す対策をすることが求められていくと伝えられました。
事務局メンバーは、「ミズベリング」ディレクターを務める水辺総研の岩本氏を中心に戦略やデザイン、PRそしてコミュニケーターなど各分野で活動するプロたちが集まりチームとなって推進していこうとしています。
舟運が熱い!「WORLD舟運NEWS」
そして、ワークショップの前のアイスブレイクとして「WORLD舟運NEWS」と題して世界各地で起きている舟運に関する情報が共有されました。
ロンドンではUberが水上交通と提携を組んでいたり、アメリカ・シカゴでは建築物を巡るリバークルーズがツアー商品の1位となっていたり、水の都といわれるアムステルダムではゴミをすくい上げながら運河をきれいにする「Plastic Whale」というクルーズツアーがあったりーー。
世界では舟運が盛り上がってきていることがわかります。
国内でいえば、大阪ではまちを巡る周遊パスの中でも、クルーズが人気なのだそう。
国内外の動きを知れば知るほど、舟運の可能性を感じます。
ワークショップ:船上でやったらおもしろいこと。
今回のワークショップテーマは、「船の上でやったらおもしろそうなこと」。あらかじめ用意されたキャラクターをペルソナに、どのようなことが面白い体験になるかを各グループごとに出していきました。
とあるグループは、完全リモートワークで働く外資系コンサルタント会社勤務の“ジョン”の場合なら「カジノ船」や桟橋を活かしたコーヒースタンドで出勤前に集まる場をつくるとよいといった意見や、バリキャリで有意義な時間を過ごすことを大切にしている“めぐみ”なら「婚活船」や船を舞台に見立てた「演劇や能などが観劇できる船」、IT関係の中小企業の社長なら誰にも見られることなく人と会える「秘密の会合船」などが出されていました。
ユニークなアイデアから即実現ができそうな現実的なアイデアまで、さまざまな体験アイデアが出され、後半になるにつれ次第に盛り上がりをみせていきました。
グループのアイデアをシェアする時間では、面白いアイデアにどよめきが起きたり、笑いが起きたりと自分たちの妄想をさらに膨らませながら、参加者たちが熱心に耳を傾けていました。
船を浮くものと捉えたアイデアでは、水上ドッグランや水上コンビニ、潮を活かした干物船、水中墓地といったアイデア、時間を有効に活用する視点に立って、シェアオフィスやジム、美容室を水上につくるといったアイデアが出されました。他にも、単に水辺を楽しむということだけでなく、教育という観点から水辺の歴史や文化を伝えるガイドによるレクチャーや船で遺産巡りをするといった、学びになる要素もあるとよいのではという意見も出されました。
行政や教育機関、民間事業者、個人など多様な人たちが参加したワークショップは、自分の視点や業界の視点などで日常を意識したアイデア、水上や船という特別感を出すアイデアなど、さまざまな角度からワクワクするものが多く出されました。
最後の振り返りでは、議論した内容をイラストや文字で可視化して記録・共有する手法である「グラフィックレコーディング」で活動をするグラフィックレコーダーの関美穂子さんがイラストを見せながら、この日の振り返りをしてくれました。
イラストと文字によってアイデアが可視化されたのを見て、参加者たちからは感嘆の声も聞こえてきました。グラフィックレコーディングによってより話の流れや要点がわかりやすくまとまり、参加者のアイデアの理解が深まったように思います。
ワークショップを通して、舟運の可能性を感じ「何かできそう」と期待感が高まる時間となりました。