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プラスチックを釣る!?海洋清掃教育エンタメ プラボー!@竹芝、初開催!

7月3日(土)・4日(日)の2日間、「ちょっと先のおもしろい未来」略して「ちょもろー」が詰まった体験イベントが東京・竹芝エリアで開催されました。eスポーツやアニメ、お笑いなどのポップカルチャーやライフスタイルを変える最先端テクノロジーに触れることができるイベントです。
今回は、このイベントで「未来のしごと・未来のまち」をテーマに実施された子ども向けワークショップで、海洋プラスチックゴミを回収して、水辺の環境問題について楽しく学ぶ「プラスチックを釣る!?海洋清掃教育エンタメ プラボー!in 竹芝」を開催しました。

「プラボー!」は、東京の水辺を世界に誇る体験の場にすることを目標とする「舟運活性化コンソーシアムTOKYO2021(※)」の事業創造プログラムによって企画されました。実施・運営するのは、水辺の価値をつくりだすまちづくりやコンサルティングを行う株式会社水辺総研です。

<海洋清掃教育エンタメ プラボー!>
【日にち】2021年7月3日(土)、4日(日)
【会場】竹芝地区船着場(ウォーターズ竹芝)
【対象】小学生
【金額】4,800円(親子1組)
【実施時間】9:30〜11:30、12:30〜14:30(2日間、全4回)

※舟運活性化コンソーシアムTOKYO2021
「魅力的な舟運商品をつくりつづける垣根をこえた協力体制をつくること」を目的に、舟運分野における多様な主体による連携協働による新たな価値創造でで、東京の水辺を世界に誇る水辺体験の場所にすることを目指しています。
主な舟運活性化の方策案として、「イノベーティブな事業創造」「新たなユーザーニーズの掘り起こし」「水辺体験、舟運体験としての認知度向上」「資本と舟運事業者の関係改善」「事業者間の相互理解」などを挙げています。
本コンソーシアムは、方策案を“実現”するために必要な役割が揃ったコミュニティとして「舟運商品および実験的取り組みのプロモーション」「創造的連携マネジメント」「事業創造ワークショップ」などを行っています。現在、行政や大手デベロッパーなどの企業、大学といった多くの方たちに賛同いただき、活動を加速させています。

オープンエアーの小型船で体験する、海のゴミ取り

「プラスチックを釣る!?海洋清掃教育エンタメ プラボー!in 竹芝」と題して開催された海のゴミ取りイベントは、2020年6月に誕生した複合施設「ウォーターズ竹芝」にある竹芝地区船着き場から船に乗って、たも網で海洋ゴミをすくい取って、ゴミから水辺の環境汚染について楽しく学び、考えるイベント。

梅雨時期の開催となり7月3日、4日ともに、雨が降って一部中止の回もありましたが、2日間で30組近くの親子が参加しました。

今回の「プラボー!」は、都内河川や臨海部を遊覧するクルーズを運航する「がれおん」の船で運航されました。お花見クルーズなどで活躍する、オープンエアーの平らな船です。

▲「がれおん」の船
▲今回使用した、たも網

出航したら、最初は船着場近くでスタッフによるデモンストレーションを行い、何人かの参加者が実際にすくい取る練習をして、イメージができたところでより広い湾へと向かってきます。

水門を通ると、なんだか遊園地のアトラクションのようで、ちょっとワクワク。

いざ、ゴミ取りスタート。
ゴミを見つけると「どんなゴミだろう?」と参加者は食い入るように見つめ、すくい取る様子をじっと見ています。

プラスチックゴミの中には、波に打たれたり、紫外線にさらされることで5mm以下まで小さく砕けた「マイクロプラスチック」と呼ばれるものがあります。しかし、「マイクロプラスチック」は目には見えないため、今回は、たも網で取れる大きさのゴミを取っていきました。

案内人が、海洋プラスチックゴミにはどんなものがあるのか、どのような流れで水辺にゴミがやってくるのか、私たちの生活が想像できるように、ちょっとしたうんちくを交えて教えてくれました。

ペットボトルや空き缶、納豆の容器、風で飛ばされてきたであろう選挙ポスター、レジ袋ーーわずか30〜40分の間にさまざまなゴミが回収されていきました。
「こんなものまで流れたり、捨てられたりしてしまっているんだね」と大人たちも驚いている様子。

ゴミの中には、丸くボール状になった白いかたまりが、いくつも回収されました。これは「オイルボール」と呼ばれるもの。家庭などから出された排水に含まれる油分や汚物が下水管に付着し、雨水と一緒に放流される過程で固形化したもののことをいいます。
普段、何気なく自宅で調理器具や食器を洗う中で、流され蓄積されていくとゴミとなり、目に見える形で海に浮かんでいる現状を目の当たりにすると、今後、日常の中でわずかでも意識していくことになりそうです。
体験すること、体感することは、自分なりの気づきが得られる時間になります。

私たちの生活を、海洋プラスチックゴミから学ぶ

雨足が強くなってきたところで引き返し、船着場に戻ってきました。
下船後は、すくい取ったゴミを分別して広げ、参加者みんなで振り返りながら楽しく学びを深めていきました。配布された教材に、「プラボー!」でどんなことをしたのか、海洋プラスチックゴミの原因や未来、私たちができることはなんだろうかといったことを、一緒に考えながらメモを取っていきました。

▲7月4日に参加した子どもたちがすくい取ったゴミ

人間が日常で使用するビニル袋やペットボトルなどは、ゴミとなって適切な処理がされないと、河川や海などに流れ込み海洋プラスチックゴミとなっていきます。その量は、世界中で少なくとも年間800万トンといわれています。

海洋プラスチックゴミは、環境汚染だけでなく水辺の生態系、そして人間にも影響を及ぼします。プラスチックは体内に入っても消化されないため、海洋生物が餌と勘違いして誤飲して死んでしまうなどのリスクがあります。もし魚などが食べて体内に残っていた場合には、私たち人間が食べるときに一緒に体内に取り込む危険性があるのです。

世界中でも海洋プラスチックゴミを削減するための取り組みが行われていますが、今回の「プラボー!」は、エンターテイメント要素を取り入れ水辺の環境問題を考える体験型イベント。実際にゴミを取るという体験を通して、子どもも大人も環境問題をリアルに捉えられるようになったようです。

水辺の環境問題に向き合い、自らできることを考えて行動できるようになっていけば、私たちの未来をつくっていくことにつながります。
すぐに海洋プラスチックゴミをゼロにすることは難しいことかもしれません。しかし、生活の中で小さな取り組みの積み重ねが、水辺の健やかさにつながり、巡りめぐって、私たち人間や生き物の豊かな暮らしにつながっていきます。

「プラボー!」は、今までの自分の行動を変えてみるきっかけとなる時間となりました。
今後も実施される予定なので、ぜひご家族やお友達と一緒に参加してみてください。

この記事を書いた人
草野明日香
新卒で大手鉄道会社に入社し、営業や開発部門を経験。2017年よりフリーライターとして雑誌WEB記事、創業者などインタビュー記事の執筆を行うほか、地域のフリーペーパー、パンフレット制作等の編集も行う。また、地域や人を応援できる場づくりとして「スナックあすか」のイベントも実施している。個人理念は「お互いの物語を語り合い、人と人の物語のきっかけになる」。編集者として、関わる人たちのそれぞれの物語を見いだし、物語を持つ人同士をつなぎ、未来を描くきっかけをつくっている。趣味は、お酒、旅行、お笑い鑑賞。
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