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ー3/31開催ー 舟運活性化コンソーシアム 第2回アイデアブレストワークショップ

舟運活性化コンソーシアムは、舟運活性化に向けて共有できるビジョンやイメージをつくることを目的に、舟運商品づくりのアイデアワークショップの第2回目を開催しました。

今回は、浜松町駅から徒歩6分のところにある「ウォーターズ竹芝」にあるコミュニティスペース「SHAKOBA(シャコウバ)」です。JR東日本グループが開発を進めてきたこの場所は、レストランやオフィスのあるタワー棟や劇団四季が入るシアター棟、ラグジュアリーホテルなどを有する複合施設。そして、ウォーターフロントの立地を活かした芝生広場や船着場、干潟などもあり、水辺に囲まれた新たなオアシスとなっています。
第2回目となったアイデアブレストワークショップでは、舟運商品のアイデアをもとに商品化に近づけていくために、より具体的に商品に落とし込む整理をするワークショップを実施しました。2回目も、鉄道などの民間事業者や観光やまちづくりの団体、大学教授、区の関係者などが集まりました。

【日時】2021年3月31日(水)10:00〜12:00
【会場】ウォーターズ竹芝 アトレ1F(劇場棟)SHAKOBA
【ファシリテーター】岩本唯史(舟運活性化コンソーシアム事務局代表/株式会社水辺総研 代表)
【内容】「舟運活性化コンソーシアムTOKYO2021」概要、WORLD 舟運 NEWS、アイデアブレストワークショップ

舟運の盛り上がりを知る!「WORLD舟運NEWS」

舟運は今、世界各地でさまざまな動きをみせています。前回に引き続き、司会の岩本氏が世界の舟運情報をシェアしました。

ドバイではボートツアーが人気となっていたり、台湾では電動の通勤ボートの試作が登場したり、タイやノルウェーでも電動フェリーが造られたりと、水辺が日常になる動きが加速しているようです。

また、カナダでもボート会社が日本円で約27億円の資金調達をしたニュースが出るなど、にわかに盛り上がりを見せている舟運の動き。
東京でも何かできることはないかと期待感が出る前向きなニュースがたくさん出されました。

ワークショップ:船をつかった商品にしてみる。

前回のワークショップでは、船の上でやったらおもしろそうなことをテーマに商品につながるアイデア出しを行いましたが、2回目のワークショップでは商品化するために情報を整理していくワークショップを行いました。

1回目のワークショップで出されたアイデアを事務局メンバーが実現ハードルの高さ、商品の短期・長期で分けていくと、近いうちに実現可能となりそうなアイデアも多数あることがわかります。

今回は、舟運商品のアイデア出しで出されたものをふまえながら、「身近なあの人は楽しいと思ってもらえるのか?」を意識して、
・商品名
・開催頻度
・対象者
・どんな点が楽しいのか?
・最大のウリは何か?
といったことをグループごとにディスカッションしながら、商品の検討をしていきました。

グループワークを終え、各グループの商品内容をそれぞれプレゼンテーションしていきました。

ゆったりとした時間を過ごす商品として「お昼寝船」「読書船」「メディテーション船」といった商品案が出されたり、その水辺で採れたものを活かして体験できる商品として「闇鍋船」「採ったアサリでラーメンづくり」、水上を新たな舞台として考えられた「花魁道中が見られる船」、企業対抗で真剣勝負を水上で楽しむ「水辺甲子園」などが出されました。

はとバスならぬ「はと舟」や「深夜クルーズ」「漂流ツアー」など旅やツアーに注目した商品も挙げられました。特に、水上で行うお葬式「おくりぶね」という商品企画を聞いたときは、なるほどと関心を寄せる参加者も多かったように思います。

さらに、より大局的にみて商品展開を考えたグループもありました。浮動産ビジネスと銘打ち、人の動きや活用の仕方に応じてフロートを貸し出せるシステム「FLOAT BLOCK」の考えは舟運の未来を感じさせる案でした。また、水上に浮かぶパネル広告や鉄道から電気を引くことで船を動かすというインフラ整備まで意識して考えているチームもありました

この日も、グラフィックレコーダーの関美穂子さんがイラストと文字によるワークショップの可視化をしてくれました。各グループの出された商品案がわかりやすくまとまっていて、記録や振り返りに非常に参考になります。

まだまだ、ユーザー目線の舟運商品が東京には少ないということがわかり、各事業者や関係期間、個人はさまざまなレベルで舟運商品づくりや水辺空間の魅力創出に貢献することができるというのがわかりました。

TOKYO FUNECTION

終わりに、コンソーシアムの事務局メンバーでもある合同会社quod(クオド)の中川氏から、舟運活性化コンソーシアムがどのようなことを大切に舟運活性化につながる動きをしようとしているのかを、2回にわたるワークショップを終え、改めてプレゼンテーションされました。

舟運活性化コンソーシアムは、ディスカッションをしてきた内容をその場の議論として終わらせるのではなく、具現化して継続的に社会実験を行っていくことで、水辺空間や舟運に対する人々の意識を変え、水辺空間の魅力を向上させていこうとしています。

ワクワクする水辺体験を創造するという思いを込め、舟運活性化コンソーシアムの取り組みについて「TOKYO FUNECTION!」と愛称をつけました。

「このコンソーシアムは、『オープンで、フラットで、“いまの時代らしく”社会を動かしていくアクション』です。多様性を受け入れながら、成長や変化を推進する取り組みを通して、水辺の事情も、政治的な事情も、企業的な事情も、それぞれの事情を理解している人が集まることが、『何かを制限する』のではなく、『実現のため』に作用する“実現”するために必要な役割が揃ったコミュニティです」(中川氏)

今後の舟運活性化コンソーシアムは、会員企業が関係する船着場がある3つの拠点を中心に、それぞれの拠点間を結ぶ船旅ではなく、それぞれの拠点に船を活用した東京の新たな楽しみ方を多くの人に知っていただくことに重きを置き、最低5つの舟運商品をつくることを目標と掲げています。

そして、船の事業者には参加する機会をつくりながら、今後は関心を抱いて各事業者と連携をして、事業化に向けて前進していきます。

2回にわたって開催したアイデアワークショップで得られたのは、舟運の可能性を改めて感じただけではありません。活発な議論の末に、ぜひ水辺の体験につながるイベントや実験を実施したいと手を挙げた事業者や機関がありました。

現時点で事業案として出されたのは、5件。「サウナ船」「日大海洋建築に関する実証実験」「(2022年度実施に向けた)水辺活用事業」「湾岸ウォーキングイベント」「電動自動操縦船の実証実験」について、今後具体的に調整していくことになりました。

東京の水辺空間の盛り上がりをつくる大きな一歩となるワークショップでした。これから登場する舟運商品に注目ですね。

水辺を活かしたまちづくりや日常をつくっていくために、まずは活動できる人たちで舟運の可能性を示し、トライアンドエラーで繰り返し実験を続けながら、共感者や理解者を増やしてムーブメントを起こしていこうとしています。TOKYO FUNECTIONの取り組みにぜひご注目ください。

この記事を書いた人
草野明日香
新卒で大手鉄道会社に入社し、営業や開発部門を経験。2017年よりフリーライターとして雑誌WEB記事、創業者などインタビュー記事の執筆を行うほか、地域のフリーペーパー、パンフレット制作等の編集も行う。また、地域や人を応援できる場づくりとして「スナックあすか」のイベントも実施している。個人理念は「お互いの物語を語り合い、人と人の物語のきっかけになる」。編集者として、関わる人たちのそれぞれの物語を見いだし、物語を持つ人同士をつなぎ、未来を描くきっかけをつくっている。趣味は、お酒、旅行、お笑い鑑賞。
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